フラッシュモブで “非日常の空間”へチェンジ!

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“フラッシュモブ”をご存知でしょうか?その定義は、インターネットなどで不特定多数の人に呼びかけて集まった人たちが、屋外の雑踏や公共の場で予告なしにダンスや演奏等のパフォーマンスをおこない、パフォーマンスを終えると再び雑踏のなかへ紛れて日常の世界へ戻っていくというパフォーマンスのこととされています。
ダンスや演奏の経験がなくてもみんながエンターテイナーになれるということ、特別なステージでなくても、たくさんの人々の目に触れて楽しみを共有できること、そして突如はじまり跡形もなく消えていくサプライズ性が受けて、日本でも趣向を凝らした“モブ”が各地でおこなわれるようになってきています。
そんなモブに魅せられ、企画&実行するチーム「スマイルポケット団」を立ち上げ、様々な試みを展開している赤松裕人さんにお話を伺いました。

 

 

関西で、一般の人も参加しやすいフラッシュモブ集団を立ち上げ!

−「フラッシュモブを始めよう」と思ったきっかけと、初めてのモブをどの様に形にしていったのか、教えてください。

いろんなフラッシュモブの動画を検索してみると、日本でも少ないなりにフラッシュモブはありましたが、それらはプロのダンサーの方たちが出ているものばかりで、一般の人が参加できるものがありませんでした。「それなら自分が作ろう!」と、2012年の夏に自分のBlogで仲間を呼びかけました。私自身、フラッシュモブの経験もないですし、またひとりでは実現できないものなので、まずはじめに私と共に考えて動いてくれる企画メンバーを募集しました。そして、モブに参加してくださる一般の方たちには、できるだけ気軽に参加してもらえるようにと、企画メンバーとは別に募集したんです。

 

当時、関西ではまだまだ“フラッシュモブ”は認知されてなくて、なかなかメンバーが集まらなかったのですが、9月の頭に「プロポーズをフラッシュモブでしたいので、協力してくれないか」という問い合わせを受けて、大阪城天守閣前広場ではじめてフラッシュモブをすることにしたんです。

 

そして忘れもしない2012年9月30日、場所の下見に行く日と台風が重なってしまい、集まってくれた初対面の4人で、土砂降りの雨のなかずぶ濡れになりながら大阪城公園の天守閣へ向かいました。
そのときまでは、「フラッシュモブを一度でいいからやってみませんか?」という形で募集していたのですが、帰りに立ち寄った喫茶店で「今回のプロポーズモブだけではなく、フラッシュモブを継続的におこなっていきたい」と打ち明けると、みんなが賛同してくれて、仲間が出来たんです。これがスマイルポケット団の誕生です。そして10月14日、記念すべき第1回目のモブは、観光客の人々にも温かく見守られ、プロポーズも大成功でした。

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記念すべきはじめてのフラッシュモブは、メンバーとカップルの友人たちとでダンス!
感動のプロポーズモブは大成功でした。

 

 

−フラッシュモブを実際にやってみて、感じることや、お客さんの反応を教えてください。

常にドッキドキなんですよ。1回目のときは、ダンスも音響も、映像も分かる人がいなかったので、インターネットで調べて、「音響機材は1万円で借りられるらしいよ。」「じゃあ借ります!」みたいな感じで(笑)。映像は従兄弟に頼んで撮ってもらいました。変なところでズームしてたり、ブレてたり、映像のクオリティは低いのですが、YouTubeで今一番再生回数が多い(2013年12月現在で約9万8千回)のがこの映像です。こうやって手作りした映像が人々の目に留り、素人っぽさや温かさに敷居の低さを感じて参加してくれる人も多いと思っています。

 

2回目は、本来自分たちが企画していたマイケル・ジャクソンの「Beat it」でのフラッシュモブを、12月16日に。そして翌年の2013年6月30日には大阪城公園の噴水のある広場で「マンマミーア」と「ダンシングクイーン」の2曲でミュージカル風のフラッシュモブダンスをおこないました。たまたま近くにいたマダガスカル人を誘ったら、ノリノリで一緒に参加してくれて嬉しかったですね。

 

続く8月25日には、ダンスではなくバナナを携帯電話に見立てるという、ちょっとしたドッキリ企画の「ColorfulバナナフォンでLet’sフラッシュモブ」を実施したんですよ。かばんからいきなりバナナを取り出して、電話するというちょっとしたらイタズラです(笑)。みんなが笑いながら見てくれて、写メを撮ってくれたりしました。

 

 

ゲリラパフォーマンスは難しい、日本のおそと事情

−チームの運営方法や、練習場所、実施場所については現在どういう状況ですか?

 

現在企画メンバー7名、Facebookのグループページに登録してくれているメンバーが168名(2014年2月14日現在)います。連絡はHPとFacebookのグループページを通じておこなっています。
練習は市内のスポーツセンターやダンススタジオを予約して、練習に参加した人でスタジオ代を割り勘するスタイルです。依頼があったプロポーズモブも無料でお引き受けしているので、チームとしての収入はありません。ダンス未経験者がほとんどだということもあり、一回のモブを3ヶ月くらいの時間をかけて仕上げています。

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大阪市内のスタジオで毎週末のようにダンスの練習をおこなっています。
初心者でも、まわりの人に教えてもらったりして踊れるようになるのが、
スマイルポケット団の魅力。

 

アメリカなどでは、予告なしのフラッシュモブが各地で実施されています。文化として、こういったゲリラパフォーマンスを受け入れる土壌があるんでしょうね。日本では、公道は道路使用許可を取る必要があるので、私たちは事前に許可を取るスタイルで実施しています。大阪市福島区では駅前活性化プロジェクトの一環として、野田阪神駅前広場を活用した「野田阪神野外音楽ステージ」が開催されて、「福島区役所認定ストリートミュージシャン」が認定されるような動きもあります。そういった動きが今後ますます増えればいいなぁと思いますし、たくさんの方と喜びを分かち合えるような場所を常に探しています。

 

イベントに参加するというスタイルもあり、「水都大阪フェス2013」では、人が集まる会場のなかで実施することができたので、たくさんの人に見ていただくことができました。フェスの開催テーマである「水辺のまちあそび」とフラッシュモブがぴったりだということでパフォーマンスを実施しないかと声を掛けていただいたのですが、中之島GATE会場で「マンマミーア」と「ダンシングクイーン」のモブをおこないました。フェスに来られていた方たちがリラックスした環境で楽しみながら見てくださって、気づいたらミラーボールマンも一緒に踊ってくれたりして、盛り上がりましたね。

 

「できる・できない」ではなく、「やりたい!」という気持ちを大切に

−今後の「スマイルポケット団」の方針を教えてください!

人数が増えると、連絡やチームづくりの面で難しいこともあります。でも、地域、性別、年齢、障害のあるなしに関係なく、やっている方も、見てる方も楽しくなれるのがフラッシュモブの魅力だと思うんです。また、実際アンケートを取ると、フラッシュモブを「見たい」という人よりも、「やりたい」と回答してくださる方のほうが圧倒的に多いんですよ。

 

自分が始めたのも、単純に「やりたい!」と思ったから。「できる・できない」で判断したくなくて、結局自分が「やるか・やらないか」なんですよね。どうやったら実現できるか考えながら、1回ずつがチャレンジです。
パフォーマンスに興味のある方、ない方を隔てずにたくさんの方に見てもらいたいです。

スマイルポケット団では一般の方たちを巻き込みながら、みんなで盛り上がれるようなモブを、今後も模索していきたいと思います!

 

ありがとうございました。

 

スマイルポケット団

HP
http://www.smilepocketdan.sakura.ne.jp/

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フラッシュモブで “非日常の空間”へチェンジ!

赤松裕人(Akamatsu Yuto)

1981年大阪生まれ、和歌山育ち。2012年9月30日にフラッシュモブを企画・実施する団体「スマイルポケット団」を立ち上げ、土日を中心に活動中。現在は7名の企画メンバーと、156名(2014年1月現在)の団員とともに“する人も見る人も、どちらも笑顔になれる楽しい時間を創ること”をモットーに活動をしている。平日は行政書士として勤務しているサラリーマンで、Blogにはフラッシュモブの他、法律の豆知識などの記事も並んでいる。

http://ameblo.jp/joker-no-uta/