街では毎日のなかに発見が潜んでいます。そこの路地をちょっと曲がれば見えてくる「知らなかった!」に出会いに、「OSAKA旅めがね」の空堀ツアーに参加しました。
毎日何気なく過ごしている街に発見があれば、街こそが冒険の舞台になるはず。そんな街での発見に出会いたくて参加したのが「OSAKA旅めがね」の“ほっこりゆったり長屋再生のまち「からほり」を巡る”ツアーです。「OSAKA旅めがね」は2009年の発足以来、ディープな大阪を楽しむことができるまち歩きをおこなっています。ひとつひとつのまち歩きは、街の魅力を熟知した“エリアコーディネーター”と旅めがね事務局、街の案内人“エリアクルー”、地域の人々が情報交換をおこないながら企画されます。街を良く知る人々が考えたまち歩きだからこそ、友だちに街を案内してもらうような感覚で大阪を堪能することができるんです。
建物と建物の間に残る石垣。よく見ると、街のあちこちに驚きが潜んでいます
通りを歩いていると、こんな素敵な路地に出会うのが空堀という街
およそ2時間あまりのまち歩きは、「旅めがね」の旗を掲げたエリアクルーに連れられて、遠足に出かけるような気分ではじまります。今回のエリアクルーは、高橋恵之さん。空堀のお隣、玉造で育ったという高橋さんは、子どものころから空堀商店街で遊んでいたという生粋の大阪人。「参加された方、それぞれにとっての街の宝物を見つけて欲しい」と言う、優しい瞳と笑顔が素敵な案内人です。それでは、街で見つけた「知らなかった!」を紹介しましょう。
スタートしてすぐ、谷町筋を西側に曲がると表れるのが、観音坂。坂の多い空堀を象徴するかのような、急な石段です。高橋さんのお話によると、空堀に坂が多いのは上町台地の西斜面という地形にもよりますが、昔この辺りから瓦用の土を採取されていたためで、近くに瓦屋町という地名が残っているのがその名残とのこと。さらに、空堀のお隣である松屋町は人形屋が多いことで知られていますが、瓦職人が仕事の合間に作った素焼きの人形がはじまりなんだそう。早速街の知らなかった一面に出会うことができました。
空堀商店街には、昔からの魚屋さんや果物屋さん八百屋さんもあれば新しいおしゃれなケーキ屋さんなどもあり、新旧入り混じった賑やかな商店街。ここでは江戸時代から続く鰹節屋丸与さんにお邪魔して、店主の岡田さんに空堀の街や鰹節のお話を伺います。そして、この日は本物の鰹節削り体験をすることができました!はじめて自分で削った鰹節は思ったより薄くて、濃い鰹の香りを堪能できるものでした。ツアーに参加したからこそ味わえた、本物の味に舌鼓。古い町家建築であるお店の奥を見せていただいたり、ボランティアで参加者にお話をしてくれるという岡田さんの心意気にも感動です。
「萌・練・惣」は、古い建物を再生した空堀の人気スポット。古いものを残すだけでなく、新しい息吹を吹き込むことで古いものの良さと新鮮な驚きを同時に楽しめます。
“萌”は、直木賞で知られる直木三十五記念館のある複合文化施設。ここでは、実は知らないことだらけだった直木三十五の生涯についてお話を聞いて、一同「へ~っ!」と驚きを隠せません。
“練”は瓦屋根の門や中庭が、元のお屋敷の様子を髣髴とさせるレトロな味わいのある複合ショップ。建物のなかを探検すると、木造建築の心地よさを改めて実感できます。
“惣”は取り壊される寸前だった長屋を再生したという複合ショップ。再生前の姿が想像できないほど、懐かしさと新しさの同居した素敵な場所になっています。道路に面した小窓から試食のドーナッツを受け取ると、素朴な雰囲気にすごく遠くへ旅した気分♪
まち歩きツアーでは、“発見”があることが満足に繋がる、と高橋さん。「普通は見過ごしてしまうようなことを伝えることができたら」と、参加者ひとりひとりの様子を伺いながら丁寧に、楽しく案内してくれました。今回ツアーに参加して知ったのは、街のあちこちで、歴史や暮らす人の思い、新しい挑戦などを感じることができるということ。いつもとは違う角を曲がったり、ちょっと目線を変えて見るだけで驚きと出会えるなんて、街を歩くのが毎日楽しくなりそうです。
美味しいものに出会えるのもまち歩きの醍醐味
商店街では、人々の暮らしを感じることができます
全国からのツアー参加者に、大阪の街の魅力を伝え、地域コミュニティの元気を育むソーシャルビジネス。
地域に密着したまち歩きツアーが自慢。大阪市内14エリアで週末に開催しています。
お電話での問い合わせ、お申し込みは…
TEL 06-6624-8500
受付時間 平日10:00~19:00 土日祝9:00~18:00
火曜定休 参加費 ¥3,480(お土産付)