“お祭り”。収穫を祝ったり、健康や安全を祈ったり、世界には数えきれないほどたくさんのお祭りがあります。では先日大阪で開催された“水都大阪フェス2011”は一体どんなお祭りなのでしょう？大阪の水辺でのチャレンジを、OSOTOが紹介します。
水都大阪フェス2011って何？
大阪には世界でも珍しい都心部を囲むように流れる川があります。それはかつて大阪が「水の都」と呼ばれていたころから受け継いできた、都市の記憶であり、宝です。そして現在。その形状から「水の回廊」と名付けられた川を中心に、“水都大阪”再生のムーブメントが動き出しています。2008年に船着場が新たに開設されるなど、水辺の整備が進められるなか開催された“水都大阪2009”では、それまであまり意識したことがなかった人も大阪の水辺に目をむけるきっかけとなりました。
ラバーダックと灯明は水都大阪2009と水都大阪フェス2011のどちらでも大人気の取り組み
でもなかには“水都”と言うからにはもっと水辺を感じたいと思っている人もいるのでは？では、一体どうなれば「大阪は水の都」と胸を張って言えるようになるのでしょう？川の水がもっときれいになったら？水に直接ふれることができる水辺ができたら？きっと答えはひとつではありません。「もっとこうしたらいいんじゃない？」と気づいたひとりひとりが声をあげ、行動し、周りの人にその思いを伝えていくことが大切です。
“水都大阪フェス2011 水辺のまちあそび”では、“水都大阪2009”をひとつのきっかけとして形になりつつある思いをつなげ、ひろげようとしています。「フェス＝お祭り」という言葉に込められたのは、「水都大阪」が一過性のイベントではなく地域に愛され支えられ、地域の誇りとなるものになれるようにという思い。参加する人ひとりひとりが楽しむだけではなく、楽しませる人にもなれるお祭りなのです。
思いを実現するお祭り
“水都大阪フェス2011”は、10/22～10/30の１週間をチャレンジウィークとしています。チャレンジウィークは、中之島公園を中心に、水辺やまちなかで「こんなことをしたら楽しそう」、「あんなことができないかな」に挑戦した１週間。そのなかのいくつかを紹介しましょう。
“大阪水辺バル”は、大阪の水辺ではじめての試みとして実施した、舟で「大阪のうまい」を巡る一日だけの特別企画。水の回廊を巡るクルーズと各飲食店の自慢のバルメニューが味わえるなんて、水都ならでは。夕方から参加して、あっちのお店に舟ですいすい、こっちのお店に舟でゆらゆらしているうちに、水面に写る水都の夜景にすっかり酔ってしまう。そんな楽しみで水辺がにぎわいました。
水面に映る夜景を楽しみながら、美味しいお酒とおつまみでほろ酔い気分を味わえた水辺バル
水辺バルで運行した舟は、クルーズ船や遊覧船など全部で9隻。普段から大阪の水辺で活躍しています。左はリバーシャトルII、右は水都号アクアmini
“大阪まちあるきCUP”は、インターネットを使って参加者やまちあるきに興味がある人をつなぐ、新しいまちの楽しみ方にチャレンジしました。参加者がまちあるきの感想やまちの魅力が伝わる写真をインターネット上に投稿し、一番賛同を得られた参加者を表彰するというしくみ。自分が感じた感動を誰かと共有できると、まちあるきの楽しさも倍増します。まちあるきプログラムのなかには、事前におこなわれたワークショップに参加した人たちが考えたコースもあり、「こんなまちあるきがあったらいいな」が本当に実現した好例です。
なんとなく感じていた思いが現実のものになる。そんな実例が増えていけば、まちの見方も少しずつ変わっていきそう。
まちあるきのコースは全部で36種類。大阪の新しい魅力を知ることができるものばかりです
“大阪まちあるきCUP”はまちあるきを一番楽しんだ人が表彰されるしくみ。グランプリはHPをチェックしてみて
つながると広がる
チャレンジウィーク中に実施されたプログラムのなかには、“大阪グランマルシェ「ほんまもん」”や“ドラゴンボート水上ツアー”、“アウトドアYOGAまつり”など、以前からおこなわれていたイベントもあります。今回なぜそれらを“水都大阪フェス2011”の期間に実施するのでしょう？そのキーワードは“つなぐ”。それぞれの思いをもって、すでに行動しているたくさんの人たち同士をつなぐことで、さらに活動の魅力、まちの魅力が引き出せないかと考えたのです。普段は別々の期間に違う場所でおこなわれていることを、チャレンジウィークにぎゅっと凝縮することで、他の活動を見て刺激になったり、仲間を増やしたりそんな効果が期待できます。参加する人にとっては、色々な楽しみを一挙に味わうことができてちょっとお得な感じ。
“水都大阪フェス2011”はまちあるきあり、ボートあり、おいしいものもあり、水辺の楽しみが盛りだくさん
“水都大阪フェス2011”は都市の水辺を舞台に、「やってみたい」と思っていることを実現したお祭り。まちあそびの楽しさを改めて実感することができた、新しいお祭りとなりました。
- 公園 meets お祭り
この秋、服部緑地でおこなわれる新企画。OSOTOも参加するこの企画は、まだまだ計画がはじまったばかり。一体どんなお祭りができるのか、2回にわけてお伝えします！
このサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。Copyright © OSOTO. All rights reserved.
