屋外でのびのび遊ぶ犬の姿は、飼い主でなくても可愛いと感じるもの。そんな様子を写真におさめたい、でもなかなかうまく撮れない…と、悩んでおられる方も多いはず。
そこでOSOTOは、とある冬の午後、服部緑地の原っぱで、犬の写真教室を開催してみました。
教えてくださるのは、大阪で写真教室を主宰されている、ほりのうちしんや先生。写真の撮り方はいろいろあるけれど、今回は、簡単に雰囲気のある写真を撮る方法を教えていただきました。参加したのは4匹のワンちゃんと3人の飼い主さんたち。さて、どんな写真が撮れるでしょうか?
人が立った状態で上から犬を撮影すると、犬の背景には必然的に地面しか写らなくなります。
そこで、カメラを犬の目線の高さに下ろしてみると…自然に遠くの背景が入り、屋外ならではの雰囲気が出ました!背景がボケるためにコントラストが出て、犬が際立って見える効果もあります。
1枚目は背景にまぎれて犬が目立っていませんが、目線を低くすることで屋外ならではの遠くの背景が入り、主役が浮かびあがりましたね。
撮影:宮嵜みゆき モデル:宮嵜ブラン(アイリッシュセッター)
順光でしっかり明るく撮れてはいるけれど、陰影がないフツーの写真になって満足できないこと、ありませんか?
そんな時におすすめしたいのが、逆光での撮影です。逆光=撮ってはいけない、と思っている方も多いかもしれませんが、実は逆光は、うまく利用するととてもいい雰囲気が出せるのです。特に冬の午後は、暖かい色の光が低い位置から射すため、逆光の効果がきれいに出ます。
ただ、逆光で撮ると、どうしても犬が暗く写ってしまいがち。そんな時は露出を少しプラス側に調節して、明るめに撮ってみましょう。犬の影が明るいグレーになるくらいが、目安です。
順光: | (カメラの背後から)被写体に向かって射している光。 |
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逆光: | 被写体の背後から(カメラに向かって)射している光。 |
露出: | レンズに入る光の量。+(明るめ)と-(暗め)で調節します。操作方法はカメラによって異なります。 説明書等をご覧ください。 |
1枚目は光が当たりすぎて、その場の雰囲気が出ていません。逆光を利用することで、柔らかな光が写り、優しい空気感が表現できました。
撮影:小松恵美子 モデル:小松タンゴ(トイプードル)
愛犬と一緒に過ごす楽しいひと時、その空気感まで写真に残せるといいですよね。屋外の撮影では特に、犬だけでなく周りの空間も構図に入れて撮りましょう。その場合、犬の進行方向(顔の前方)の空間をあけると、バランスが良くなります
撮影:半田佐世子 モデル:半田あんず(ロングコートチワワ)
犬の顔をアップで撮るときは、明るい方向を向いてもらうといいでしょう。目に光が入り、キレイな目の輝きを撮ることができます。ポイント2にも共通しますが、雰囲気の良い写真には光の陰影が欠かせません。そのため、光の射す方向をいつも意識しておくことが大切です。
撮影:半田佐世子 モデル:半田あんず(ロングコートチワワ)
教室終了後、生徒さんたちに感想を聞いてみました。
「今までなら偶然にしか撮れなかった写真が、自分で撮れるようになりました」。
「AUTO以外の機能を教わり、初めて使ってみました。黒色の犬なので真っ黒の固まりに写るのが悩みでしたが、光をうまく利用することでキレイに撮れて、目からウロコの体験でした」。
いかがですか?上の4つのポイントに気をつけるだけで、写真の仕上がりにぐっと差が出るはずです。
そして隠れた5つめのポイントは…なんといっても、ワンちゃんにおそとを楽しんでもらうこと!今回の主役、長い時間辛抱づよく“待て”のポーズをとってくれたワンちゃんたち、お疲れさまでした!
ほりのうち しんや
大阪・玉造で写真と植物の店「KiKusa(キクサ)」を主催。
グラフィックデザイナー&写真家として幅広く活動中。