vol.08 - アートなおそとに出会いたい

『極楽タマゴ』吉田マリモ × 佐藤良平

開放的なおそとで、みんなでつくって楽しむアート

“アート”は見る、聞く、触れるなど様々な楽しみ方があります。そんなアートをおそとで展示することで、新しいアートとの新しい関わりを発信しているアーティストの吉田マリモさん。“アートと人との関わりをテーマに作品をつくり続けている”という吉田さんにとってのアートと夢の空間についてお話を伺いました。

(文:石塚 育代)


人との関わりを考えたら、おそと

カラフルなデザイン&特徴的なネーミングのアートで知られる吉田マリモさんのアートたち。吉田さんの作品づくりは、人好きだからこそ“人が関わること”を大切にしています。「製作しているときから、“どんな反応をするのかな?”“どんなふうに楽しんでくれるかな?”などと想像して、とてもワクワクした気持ちになります。私の作品を通して、こころが楽しくなったり、ちょっと元気になるきっかけになればと思いながら作っています」と吉田さん。人とアートが好きな吉田さんだからこそ生まれるアート作品の数々。そんな作品をおそとで展示すると、見る人の気持ちも開放的になるのでしょうか、自然と人が集まってくると言います。それは、彼女の想いとおそとが共鳴して、大人も子どものように無邪気に楽しめる環境を生み出しているから。そんな風に感じます。

木に作品がぶら下がっている『ワンダーツリー』。子どもたちはジャンプしたり、だっこしてもらって、触ろうと一生懸命(こどもワンダーカーニバル/篠山チルドレンズミュージアム)

公園のあちらこちらに置かれた、大小様々な『極楽タマゴ』。ゴロゴロ転がしたり、『極楽タマゴ』の上に乗ってみたり、楽しみ方はそれぞれです(梅小路公園/京都市)

おっぱいをモチーフにした『おっぱいロケット』。様々なカタチのおっぱいが今にも飛び立ちそう(法然院/京都市)

広い朱雀の庭いっぱいに配置された『たましいちゃん』は80匹。地面からニョキニョキと生え出して、まるでダンスでもしているみたい(梅小路公園・朱雀の庭/京都市)

「実際に、吉田さんのアートに触れてみたい!」という方には、この春からおこなわれる『有馬温泉路地裏アートプロジェクト2011』(3/25~7/15)がおすすめ。有馬温泉街の路地裏にオブジェやインスタレーションといった現代アートの数々が展示され、温泉街散策をより一層楽しいものにしてくれます。
吉田さんの作品は、モロッコ漆喰を使用した『ひょうたん姉妹』と『湯あがり、ゆだまさん』。モロッコ漆喰はなめらかで、触り心地も抜群。春の暖かな陽の下、温泉巡りと合わせて、見るだけでなく、ぜひ触れて楽しんでほしい。詳細はこちらのHP(http://www.marimo-net.jp/)をチェックしてみて。

路地を歩いていて、こんなカラフルなアートに会えたら思わず近づいて、触れたくなりますね(『ひょうたん姉妹』/有馬温泉路地裏アートプロジェクト2011)

みんなでつくって楽しむアート

触れるだけでなく、つくるプロセスを楽しんでもらおうと、ワークショップも多く開催しています。真っ白な大きいタマゴのオブジェにみんなで思い思いの色を塗る『青空ペインティング』ワークショップ、スチレンボードに様々なお化けを描き、自分で作ったお化けを水に浮かべて釣り上げて遊ぶ『お化け釣り大会』など、どれもとても楽しそう。「ワークショップでは新しい出会いはもちろん、毎回サプライズな発見や驚きの楽しみがあるんです!」と吉田さん。その言葉や見せてもらった写真の数々から、ワークショップを通してたくさんの出会いやコミュニケーションが生まれることを、心から楽しんでいることが伝わってきます。

参加者の手によって、いろいろなお化けたちが出来上がっていきます(こどもワンダーカーニバル『おばけ釣り』/神戸CAP HOUSE)

青空の下、親子でペインティング。子どもたちはもちろん、大人たちも童心にかえって楽しんでいる(こどもワンダーカーニバル/篠山チルドレンズミュージアム)

自分たちでつくったお化けを実際に釣って楽しみます(お化け釣り大会/神戸CAP HOUSE)

夢の空間ストーリー『タマゴ公園PROJECT』

吉田さんの原点は、大学の卒業制作『タマゴ公園PROJECT―夢の空間ストーリー』に描かれています。描いてあるのは、緑溢れる広い空間に吉田さんのアートたちがあちらこちらから顔をだし、子どもも大人も一緒に笑顔でアートに触れて楽しむことができる『タマゴ公園』。実は、この『タマゴ公園』を一部実現させたものが京丹後市大宮町の花の森公園にあります。公園の入口に置かれた『大地の家族』は、実際に地元の方たちと一緒に制作し、今では公園の顔となっています。お近くにお越しの際は、是非立ち寄って、覗いたり、腰掛けたりして遊んでみて。

『大地の家族』にはじまり、着実に作品を発表しつづけている吉田さん。「いつの日か、卒業制作で描いたような楽しい公園をみんなで作りたい」というのが、今も続く吉田さんの夢なのです。

与えられたもので遊ぶだけではなく、自分たちで作り上げる公園。そこでは青空の下、みんなでアートをつくることを楽しみ、アートを中心に人の輪がどんどんひろがります。隔てるものがない“おそと”の空間だからこそ、太陽の光をうけ輝くカラフルなアートたちに、開放的な気持ちで触れ合うことができる。実現したら、とても素敵な空間になるにちがいありません。

穴の中に入ったり、登ってみたりと、『大地のかぞく』が広場にやってきてからは、子どもたちの笑い声が絶えない空間に(花の森公園/京丹後市大宮町)

卒業制作の企画書の抜粋。『大地の家族』やカラフルなタマゴたちが描かれた『タマゴ公園PROJECT』


吉田 マリモ Yoshida Marimo

1977年生まれ。京丹後市出身。2人の子どもと、日々モノ作りを楽しむ、京都市在住のクリエイター。ユーモアあふれるアイデア満載のさわって遊べるあそびのオブジェをはじめ、デザイン、福祉施設のアートサポート、モノづくりワークショップなどを多数手掛けている。

» http://www.marimo-net.jp/


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