優しい季節

室内にいて、太陽の動きを強く感じる時期が年に何度かあります。
その日は急にやってきて、毎回とても驚きます。
犯人は窓から差し込む夕日。
夕日がテーブルに反射してちょうど私の右頬を照らすのです。

秋から冬にかけて、太陽の軌道が徐々に低くなるにつれ、
部屋に差し込む光が長くなります。
夏の間は窓辺だけを照らしていた光が、
少しずつ室内に伸びてテーブルの天板を照らし、
その反射がいつも座っている私の席まで届くのですね。
ほんの1分前は窓辺の光に気づきもしなかったのに、
少し太陽が移動しただけで、急に眩しさを感じて驚いてしまいます。
そして、光のなかにたたずむと、
弱々しく見えた光がとても暖かいことに気づきます。
こんな言い方はおかしいのでしょうが、
太陽も生きているという気がします。
きっと光が柔らかい季節だからこそ、そう感じるのでしょう。
とても優しい季節だと思います。

ふと太陽に思いを馳せてしまった、冬至前日の夕暮れどきでした。

                                    編集部 山本