新・ピクニックのススメ

新・ピクニックのススメ

なにかとおそとへ出かけたくなる季節の到来です。そんな時こそピクニック。今回は、映画や絵本、エッセイを参考に、素敵なピクニックの提案をしてみたいと思います。


食事を楽しむピクニック+歩くことを楽しむハイキング

まず、いつものピクニックを思い浮かべてみてください。公園や川辺など、自然が豊かな場所に行って、ピクニックラグを広げ、持参したお弁当を広げ…。と、そんな風景をイメージした人が多いはず。それもそのはず、自然のなかで食事を楽しむのがピクニックの基本であり、醍醐味でもあります。ただ、それではなんだか物足りないと思う人もいるのでは?そんな人はピクニックにもうひとつ、他のお楽しみを加えてはいかがでしょう?

例えばハイキング。ピクニックは屋外で食べたり、飲んだり、ということが中心になりますが、ハイキングのように目的地までの道行きを楽しむことができれば、更に楽しみは深まります。体を動かした後だから、お弁当の美味しさもぐっと増すでしょう。ポイントは、山登りに偏り過ぎず、食事をしっかり楽しむ時間を持つこと。ササッとおにぎりを食べて歩き出すのではなく、ちょっと豪華なサンドイッチやおにぎりをリュックに入れて行きましょう。涼しくなるこれからの季節は、小さなワンバーナーを持参して、温かいドリンクを入れるのもオススメ。お湯が沸くまでの時間や、コーヒーや紅茶、煎茶などをゆっくり抽出する時間、その時間も大切なひとときです。

おすすめ絵本
『ブルンミのピクニック』

マレーク・ベロニカ著、羽仁協子訳、風濤社

ハンガリーの絵本。家の窓から見える山の頂上にある変わった形の岩を目指して、小さな女の子のアンニパンニとクマのブルンミがハイキング+ピクニックをする物語。困難を乗り越えてたどり着いた先のお弁当っておいしいよね!と大人も共感できる絵本です。

街だからこそのデートピクニック

自然を楽しむだけが、ピクニックではありません。次のおすすめは、街を楽しむ仕事帰りのデートピクニック。このピクニックのポイントは、街の景色を楽しめるロケーションを探すこと。例えば、ライトアップされた橋を眺めることができる河畔や夕日が美しい高台の広場など、どれだけロマンチックな場所を見つけられるか、が腕の見せ所です。仕事帰りのピクニックだから、大きな荷物は厳禁。食べるものと飲むものは、街のDeliやチーズショップで揃えてしまいましょう。ふたりで相談しながら買い物をするのも、素敵なデートピクニックの一部です。寄り添って座れるサイズの布やブランケットをラグにして、過ぎ行く時にふたりで身をゆだねましょう。

おすすめの映画
『17歳の肖像』

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給

ロンドン郊外に住む16歳の少女がひとりの男性と出会い、大人になっていく物語。見逃してしまいそうなくらいの一瞬のシーンですが、パリの旅の一コマ、セーヌ川の河畔で寄り添うふたりの姿は、絶対真似したくなるロマンチックなデートシーン。

大人のためのピクニック

ピクニックは、大人同士の社交の場としても使えます。仕事関係以外の人と交流する機会が持てなかったり、知らず知らずの内に昔の友人とも連絡が途絶えていたり。持参した食事や飲み物を他の人と分けるというピクニックの特徴を生かせば、疎遠になってしまった人との再会や新しく交流の輪を広げたいときに、肩肘張らずに楽しいときを過ごすことができるのです。そんなピクニックには、ラグに座るより少しだけ大人っぽく演出してみましょう。テーブルにクロスをかけて秋の野草を飾り、ちょっとしたパーティー風にしつらえるのもおしゃれです。おすすめのワインを持ち寄って、飲み比べをしてみるのも素敵。ゆっくり時間をかけて味わって、舌でも大地を味わいましょう。

おすすめの映画
『サイドウェイズ』

20世紀フォックス映画配給

冴えないふたりの40代男性のドライブ旅行をコミカルに描いた作品。舞台となったカリフォルニアワインの産地、ナパ・バレーの風景の美しさが素晴らしい。ジャケットにもなっている4人の男女のピクニックがお手本。

冒険気分なピクニック

ひとりで静かに過ごしたい時のピクニックは、ボートの上でどうぞ。湖上でボートに揺られながら、ごろりと寝転んで真っ青な空を仰いでみれば、雲の流れる音までが聞こえてきそう。水面を吹く風に少し体が冷えたなら、水筒にいれた温かい飲み物でじんわり体を温めましょう。もう少し冒険気分を味わいたいなら、川下りはいかが?このピクニックでは、あえて食べ物は簡素に、防水性の袋にハムとチーズだけを挟んだ簡単なサンドイッチとリンゴだけ。川上の自然から川下の街まで、移りゆく風景を眺めながらそのサンドイッチを頬張れば、まるで冒険家になったような気分です。ボートやカヌーは全国にレンタルを実施しているショップがあるので、お近くで探してみてください。ボートやカヌーに乗るのがはじめてという方は、初心者コースやインストラクター付のコースを選んで挑戦してみよう!

おすすめのエッセイ
『水辺にて』

梨木香歩著、ちくま文庫

大雪の天気予報を聞いて向かった、水辺でのストーリー「ゆっくりと」。カヤック上で保温瓶に入れたココアを飲んだり、水辺に実った(ものすごく渋い)柿の実を齧ったり、という描写がこのピクニックのヒントです。


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