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2010

平成22年9月18日(土) 「ウミホタル観察会」@せんなん里海公園

 

さわやかな秋の風が心地よい今日このごろ。
まだ日中は夏の名残りで日差しも厳しいのですが、
夜になると季節を感じます。
今回は、夜の海辺で青白い光を放つ不思議な生き物がいるらしい、
と言う噂を聞きつけて、せんなん里海公園にやってきました。

 

海辺で青白い光を放つ、不思議な生き物の正体は「ウミホタル」。
「ホタル」と言うからには虫の仲間?それともホタルイカの一種?

 

正解は、
「きれいな海に住む体調約3ミリの甲殻類=エビやカニの仲間」です。
高度経済成長期には一時姿を消していたウミホタルですが、
水質が改善された結果、
再びせんなんの海に帰ってきました。
この輝きを子供たちに知ってもらおうと、
せんなん里海公園では、
ボランティア団体「海辺の森を育てる会」が主体となって
「ウミホタル観察会」が続けられ、
今年で6年目を迎えます。

umihotaru6.jpg

 

本日の観察会、集合時間は18時半。
暗くならないとウミホタルの光が見えないので、
夕暮れどきからのスタートです。
公園管理事務所2階の多目的ルームには、
たくさんのご家族連れが集まり、
部屋はぎゅうぎゅう詰め。
室内には子供たちのワククワ感が満ちて、
私たちにも伝わってきます。

umihotaru1.jpg

 

ウミホタルを学ぼう
はじめに、貝塚市立自然遊学館の山田浩二先生が、
大きなスクリーンを使いながらウミホタルの生態について説明してくれます。
山田先生によると、
ウミホタルが光るのは
①敵に襲われてビックリしたときや、刺激を受けたとき。
②オスからメスへのプロポーズの時(オスはくるくる回りながら光る)。
やはり派手な動きで目立たないと、
メスの気を引けないという事でしょうか・・・。
ウミホタル界の「婚活」もなかなか厳しいようです。

 

ウミホタルを捕まえよう
班分けが済んだら、
いよいよウミホタルを採集するためのトラップ作り!
プラスチックケースの中にウミホタルのエサとなるカニカマを入れて、きっちり締め、
海で流されないように重りとロープを巻きます。
これで完成☆
「たくさんウミホタルがきてくれますように!」と願いを込めて、
トラップを暗い夜の海に、
ぽちゃん、と投げ入れます。

umihotaru3.jpg

 

ふと手を止めて、波打ち際に立つと、
目に入る光は遠い対岸のあかりだけ。
聞こえるのは静かな波の音だけ。
日中頭を占めている雑念がすっかりクリアになり、
ゆっくり考え事ができそうです。
真っ暗な海の向こうで輝く夜景と寄せては返す波の動きは、
いつまでもぼーっと眺めていたくなるほど、
すてきな風景でした。

 

ウミホタルを観察しよう
仕掛けたトラップにウミホタルが入るまでは、
室内の顕微鏡で、
前もって採集していたウミホタルを観察します。
みんなで見れるようにと、スクリーンに映し出された姿は、
透明でミジンコのような感じ。
心臓がピクピク動いていて、
確かに生きているのがわかります。

umihotaru4.jpg

 

その後、再び夜の海に戻って、トラップを回収。
果たしてウミホタルは入っているのでしょうか・・・??

CIMG5000.JPG

 

水をスプーンですくって、ワイングラスに数滴おとし、
氷を入れると・・・光りました!!
青白い小さな光が、幻想的な輝きを放ちながら動き回っています。

umihotaru7.jpg

 

私もお子さんに負けじと水槽の中に手を入れてかき回すと、
青白い光がぱぁっと広がります。
写真に写すのは難しく、
私たちが実際に見た光の美しさや驚き、感動の全ては伝わらないと思いますが、
それは言葉に表せない美しく幻想的な光でした。

 

観察を終えて、ウミホタルたちを元の海に返した時には、
もう一度キレイな光を見せてくれました。
まるで、「サヨナラ」と見送ってくれたようでした。

 

今、このレポートを読んでくれている皆さんの中で、
ウミホタルを見たことのある方はごくわずかだと思います。
生物の専門家でない私たちは、
ウミホタルのいる海を前にしても、
なかなかその存在に気付くことはできません。
昼間はウミホタルの光は見えないし、
夜でも特別な条件がそろわなければ見る事ができないからです。
今回、山田先生や「うみもり」の皆さんの導きによって、
「いつもは見えないものが見えてくる」という体験は、
素晴らしいものでした。
このように「自然と人との通訳・仲介役」として、
自然のメッセージを私たちにわかりやすく伝えてくれる方たちを
インタープリター(interpreter)と呼ぶそうです。

 

「いま目に見えているものだけが世界ではなく、
見えていない所にも生き物がいる。
自分の知らない世界がある」。
と言う事に気付く事で、
自然に対する敬意と謙虚な気持ちが芽生えるような気がします。

 

山田先生、うみもりの皆さん、遅い時間までお疲れ様でした。
せんなん里海のウミホタルたちも、ステキな光を見せてくれて、ありがとう!
きれいな海が続く限り、今日出会ったウミホタルの子孫たちが元気に育ち、
これからも人間の子供たちに命の不思議を教えてくれるはず。
未来の再会を誓って、夜の海を後にしました。