知られざる公園の歴史


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    2014年3月11日
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堺市立中央図書館所蔵資料

大阪府営公園は、どの公園も大きな木々が生い茂り、長い間そこにあったかのように思えます。ところが公園ごとにその歴史は異なり、日本に公園という制度ができたころからある浜寺公園や、開園からたった17年しか経ていないせんなん里海公園まで、それぞれの歴史を持っています。その歴史を写真で見ることができる「大阪府営公園デジタルアーカイブス」というサイトをご存知でしょうか?今回の公園ノートでは、このサイトに掲載されているいくつかの写真や絵はがきとともに、公園の歴史を少し紹介します。

 

大阪府営公園デジタルアーカイブス」は、大阪府営公園の昔の写真や航空写真、設計図などのデジタルデータを公開しているサイトです。データは公園毎かカテゴリー毎に探すことでき、例えば「公園から探す」というタブから服部緑地を選んで見てみると、昭和39年の航空写真やボート乗り場の写真などが目に飛び込んできます。写真では今と比べ物にならないくらい木が小さく、「これがあの服部緑地?!」と驚くほど。残念ながら今はありませんが、当時は公園でボートに乗れたんですね。きっと人気のデートスポットだったに違いありません!

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(左)空から観た服部緑地(昭和39年)
(右)山ヶ池のボート乗り場に並ぶ人々(昭和39年)

 

今はない彫刻が展示されていたことや、現在陸上競技場がある位置に、昭和初期には競輪場があったことなどを写真で見ると、リアリティがあるのでついつい引込まれます。

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(左)かつて円形花壇に展示されていたという彫刻、淀井 敏夫作「キリンの仔」(昭和34年)
(右)競輪場を陸上競技場に改装するための工事の様子(昭和33年)

 

 

公園の歴史といえば、やはり浜寺公園。明治時代、日本ではじめて公園という制度ができた際、最初に定められた公園のひとつです。そのデータは見応えがあります。例えば、当時の手法でモノクロの写真に後から着色したという、白砂青松の海岸。そして、のんびりと公園を散歩している着物姿の女性たち。当時も今と同様、公園での散歩は人気の過ごし方だったのでしょう。

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(左)浜寺公園の砂浜と松(昭和17年ごろ)
(右)着物姿で日傘をさして、公園を歩く女性たち(年代不明・堺市立中央図書館所蔵資料)

 

今は埋め立てられてしまいましたが、海水浴場として賑わっていた当時の様子がわかる写真もあり、海水浴場に整備されていた「海上遊動円木」という遊具の写真も。遊動というからには動くのでしょうか、上に立ってにらみ合っているかに見える男性たちの度胸試し、のようなスリリングなものだったのかもしれません。今も毎年夏には子どもたちの賑やかな声が響き渡るプールは、開設当初、東洋一の規模とうたわれ、入場券を求める人たちの行列が長く続いていたようです。

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(左上)浜寺公園海水浴場の賑わいが伝わる絵はがき(大正~昭和初期・堺市立中央図書館所蔵資料)
(右上)プールの入場券を求めて並ぶ人、人、人…(昭和39年)
(下)浜寺海水浴場に設けられた遊具、「海上遊動円木」(大正3年)

 

絵はがきにもなっていたという名松の写真もいくつか見ることができます。その傍らに誇らしげに立っている人たちの様子から、いかに公園の松の木が大切にされていたかが伝わります。

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大きく横に張った枝が立派な、浜寺公園が誇った名松のひとつ「白龍松」(年代不明・堺市立中央図書館所蔵資料)

 

 

次は、新しい公園を見てみましょう。関西国際空港が開港した2年後に、国際都市大阪の玄関口としてふさわしい公園として整備されたのが、りんくう公園。開園式典の様子や、日時計の背後に美しく花開いた「りんくう花火」の様子、内海の砂浜をLEDの青い光が幻想的に彩ったイベント「ツインクルパーク イン りんくう」(2005年開催)の様子を見ることができます。また、「箱根 彫刻の森美術館」より33点もの野外作品を借り受け展示されていたという「りんくう彫刻プロムナード」の写真もあり、公園でおこなわれてきた様々な取り組みに見入ってしまいます。

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(左上)「ツインクルパーク イン りんくう2005」で、一面青い光に覆われた内海(平成17年)
(右上)「りんくう花火」の様子(平成16年)。平成17年から中止されていましたが、
平成24年、市民有志の実行委員会の尽力により復活することができました
(下)「箱根 彫刻の森美術館」より借り受け展示されていた作品のひとつ、
ジュリウス・バンヒティ作「イカルス」(平成8~11年)

 

ここで紹介したのは、ごく一部。ぜひぜひご自分の目でご覧になってみてください。なお、このデジタルアーカイブスは、スマートフォンで見ることもできます。実際に公園に行ってみて、風景を比較してみても面白いかもしれません。そして、長い歴史やたくさんの人の思いが刻まれた公園に、あなただけの新しい思い出も刻んでください。

 

大阪府営公園デジタルアーカイブス
http://www.osaka-park.or.jp/archives/index.html

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