寄り道も楽しい、日帰り公園旅行     ~寄り道編「蛸地蔵」

  • 2014年7月25日

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旅は日々に変化をもたらし、日常を新鮮な目で見直すことができます。もしもぽっかりと一日、いや、半日だけでも予定のない日ができたなら、少し遠くの公園に旅してみてはどうでしょう?寄り道しながら行ってみれば、十分旅気分を満喫できるはず!そう考えて旅先にと選んだのが、大阪府の最南端の岬町に位置する、せんなん里海公園。今回は寄り道編をお届けします。

 

夏が間近に迫ったその日、大阪湾に沈む夕日を見ることと、気になった名前の駅で降りることだけを決めて、各駅停車の電車に乗り込みました。せんなん里海公園の最寄駅、南海本線「淡輪駅」までは、始発駅の「難波駅」から全部で36駅。各駅停車で1時間30分ほどかかります。「どの駅で降りようかな~」と車内放送に耳をすませつつ、徐々に建物が低くなり空の面積が広がっていく車窓からの風景を眺めているだけで、心も広がっていくような気分です。

 

そして、途中下車することにしたのが岸和田市の「蛸地蔵駅」。「蛸の形をしたお地蔵さんがあるのかな?」と気になったのがその理由。電車を降りると、ホームから既にのどかな雰囲気が漂っているように感じるのは、旅気分だから?と我ながら可笑しく思いつつ、改札口を出て目が留まったのが線路沿いにある小さなお地蔵さん。「ま、まさかいきなり?」と思いつつ近づいてみると、特に何も説明がなく、名もなき小さなお地蔵さんだったようです。新しい花が供えられていて、街の人たちに大切にされているんだなと思わず手を合わせます。
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駅前のあちこちに見られる蛸のイラストを見ながら、蛸地蔵を目指して駅の西側に伸びる商店街らしい通りを進むことにしました。この時点では、蛸地蔵の場所はわからず…。多くの街でお城や寺社に向かって駅から参道が伸びているのだから、きっと蛸地蔵もそうでしょう。と自らの勘を働かせて進むことに。
細い路地がなんとなく気になって曲がってみると赤い鳥居が現れ、「三の丸神社」という、岸和田だんじり祭の発祥の地という謂われを持つ神社があらわれました。境内には初期のだんじりの絵が飾られていて、意外なほどシンプルな作りに驚きを隠せません。
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全国的にも有名な岸和田だんじり祭のルーツを知り、掘り出し物を見つけた気分で嬉しくなりながら再び蛸地蔵に向かいます。道端の看板などを頼りにたどり着いた蛸地蔵は、お地蔵さんと言うには立派な三門を誇るお寺でした。三門をくぐると、境内には立派なソテツが育っていて、南国の雰囲気です。正式名称は「蛸地蔵天性寺」。お寺の前の説明板を読んでみると、日本最大級の地蔵堂だそう。蛸の形をしたお地蔵さんを祀っているわけではなく、天正年間(1573年~1593年)、岸和田城が根来・雑賀衆(注)に攻められた際に、地蔵菩薩の化身の法師と数千の蛸が現れて城を救ったという伝説があり、その地蔵菩薩を安置しているのだそうです。数千の蛸とは、いかにも海に面した岸和田市ならではの伝承です。境内に奉納されている絵馬には蛸の絵が描かれ、蛸を食べるのを絶って願をかける人もいるのだとか。
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地域の歴史や伝承は、その地で脈々と受け継がれてきたもの。きっとどの街にもそれぞれの物語があるはずです。もしかしたら、良く知っているつもりの身近な場所にも、いろんな発見が眠っているのかもしれない。そんな可能性を感じる寄り道になりました。

 

目的地編のせんなん里海公園は、7月末のアップ予定。公園ではどんな発見があったのでしょうか?お楽しみに!

 

 

(注)根来・雑賀衆
戦国時代に紀伊国北部(現在の岩出市)の根来寺を中心とした一体に居住した僧兵たちの集団。雑賀衆は紀伊国北西部(現在の和歌山市及び海南市の一部)に居住。両衆ともに鉄砲で武装し、傭兵集団として活躍していました。

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