さまざまな思いを受けとめる、都市のなかの公園


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    2014年1月24日

1312top_oizumi開設からわずか40年で大森林公園となった大泉緑地。元は田畑であったという姿が想像もつかないほど樹木は茂り、街の大きな公園として親しまれています。そんな「都市のなかの公園」の理想の姿や役割、今後も受け継いでいくために私たちができることなどについて、大泉緑地で取り組む「百年の森づくりプロジェクト」で講師を務められている、元大阪府立大学大学院教授の前中久行先生にお話をお伺いしました。(文 木下知花栄)

 

大泉緑地は、街のなかにありながら広い緑地を持ち、多様な生き物が暮らす、日本でも優れた公園の代表的なものです。敷地内には建物も少なく、森林や散策道など、基本的には森が主体となりながらも、なだらかな平地であることで、人がとても訪れやすくなっています。公園の芝生も、あれだけの広さがあるのは素晴らしいと思います。そんな公園が人の手でつくられているというのが、また素晴らしい。1312oizumi_1

大泉緑地は素晴らしい公園ですが、もっと良くしたいなという思いはあります。その「もっと」には具体的な目標がある訳ではありませんが、同じひとりの人でも、花見やスポーツなど、その時々で利用の目的も変わりますよね。特に「人が関わる」ことを前提にした公園では、いろんな目的を吸収できる「多様性」が大事。また公園は、人と昆虫や動物などの他の生き物との関係を取り持つ場所でもあります。例えば、鳥が喜ぶような森は、人から見れば単なる薮で、見た目も見通しも悪い。なので鳥にも人にも快適な「共存の関係」をつくるためには、ある程度のスペースが必要です。場所が広ければ、お互いのための空間をとることもできストレスが少なくすむので、大泉緑地にはその余地が充分にあると言えます。1312oizumi_2

一般の人が「公園に対して何かしなければ」と義務感をもつ必要はないと思っています。「百年の森づくりプロジェクト」も、環境保全や自然保護が第一の目的ではなく、「公園を楽しんでもらおう」という思いが先にあります。ふらっと訪れたときに「ああ、ええなあ」と思ってもらうことがまずは大事。そんな気持ちが、素晴らしい公園や森づくりに自然と繋がっていくんだと思います。今はリピーターの方の参加が多いのですが、一度きりでも良いのでいろんな人に来てもらえる場になればうれしいですね。

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大泉緑地「百年の森づくり」プロジェクトでは、楽しみながら森に親しんでもらおうと、サクラの植樹体験や間伐体験をおこなっています。

 

前中久行(まえなか ひさゆき)先生
元大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科教授。現在は、中国での緑化協力活動をおこなう認定NPO法人「緑の地球ネットワーク」の代表を務める。府営公 園では、大泉緑地の「百年の森づくりプロジェクト」や浜寺公園の「松林散歩イベント」などで、気さくな人柄と楽しい語り口で参加者に身近な自然の魅力を伝えている。

大泉緑地の四季の風景

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(左)春の園路
(右)夏の水流

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(左)秋の紅葉
(右)冬の双池橋(ふたついけばし)

 

 

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